病院について

臨床指標(クリニカル・インディケーター)

臨床指標とは

 臨床指標とは、医療の質を具体的な数値で示したものです。
 臨床指標は、それぞれの病院の特徴によって数値が異なる場合があり、病院間で直接比較できるものではありませんが、この指標を公開し、改善の取組みを行うことで医療の質の改善につながることが知られています。 当院では広く取り組まれている日本病院会のQIプロジェクト指標を参考に臨床指標項目を作成しましたのでご報告致します。
(今後は、自院の指標の経年変化をみていくことによって、必要により改善等を行い、医療の質の向上に努めます。また、公開する指標を順次増やしていく予定です。)

臨床指標

●平成27年度臨床指標

指標内容 件数/平成27年度
(分子)
件数/平成27年度
(分母)
割合
 
1-a.入院患者の転倒・転落発生率  347件  79597人  4‰
1-b.入院患者の転倒・転落による損傷発生率(レベル2以上)  30件  79597人  0.4‰
1-c.入院患者の転倒・転落による損傷発生率(レベル4以上)  5件  79597人  0.06‰
2.褥瘡発生率  163件  79597人 0.2%
3.紹介率 5816件  16476件  35.3%
4.逆紹介率  6436件  16476件  39.1%
5.24時間以内の再手術率  0件  1772件  0%
6.入院患者のうちクリニカルパス使用率  2240件  5532件  40.5%
7.術後の肺塞栓発生率 0件  1772件  0%
8.大腿骨近位部骨折に対する48時間以内の手術割合 126件 155件 81.3%
9.急性期脳梗塞患者に対する早期リハビリテーション開始率  182件  182件  100%
10.人工膝関節全置換術患者の早期リハビリテーション開始率  11件  11件  100%
11.救急車受け入れ割合  3916件  4606件  85.0%
12.カルテ開示率  28件  28件  100%

各臨床指標の説明

1.入院患者の転倒・転落発生率

 入院中の患者の転棟やベットからの転落は少なくありません。原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどがあります。
 当院では転棟・転落によって患者に傷害が発生した損傷発生率と、傷害に至らなかった発生率を指標とし、転棟・転落の発生要因を特定し発生リスクを低減する取り組みを行っております。
 (参考:日本病院会2015年度QIプロジェクト平均値 a2.72‰ b0.74‰ c0.05‰) 

 分子 a:インシデント・アクシデントレポートの転倒・転落件数
b:インシデント・アクシデントレポートの転倒・転落件数(うちレベル3以上)
C:インシデント・アクシデントレポートの転倒・転落件数(うちレベル4以上)
 分母 入院延べ患者数
 除外 入院患者以外の転倒・転落
 評価 より低い値が望ましい


2.褥瘡発生率

 褥瘡は看護ケアの質評価の重要な指標の1つとなっています。患者のQOLの低下をきたすとともに、感染を引き起こすなど治療が長期に及ぶことになります。
 当院でも褥瘡予防策を提供する医療の重要な項目にとらえております。(診療報酬にも反映されています)
 (参考:日本病院会2015年度QIプロジェクト 最大値8.54% 最小値0.00% 平均値0.09%)

 分子 調査期間における分母対象患者のうち、d2 以上の褥瘡の院内新規発生患者数
 分母 入院延べ患者数
 評価  より低い値が望ましい


3.紹介率

 初診患者に対し、他の医療機関から紹介され来院した患者の割合。
 当院では医療連携を強化し、切れ間の無い医療の提供を目標に紹介率を指標としております。
 (参考:日本病院会2015年度QIプロジェクト平均値 53.4%)

 分子 紹介患者数
 分母 初診患者数
 評価 より高い値が望ましい


4.逆紹介率

 初診患者に対し、他の医療機関へ紹介した患者の割合。
 当院では医療連携を強化し、切れ間の無い医療の提供を目標に逆紹介率を指標としております。
 (参考:日本病院会2015年度QIプロジェクト平均値 59.8%)

 分子 逆紹介患者数
 分母 初診患者数
 評価 より高い値が望ましい


5.24時間以内の再手術率

 24時間以内の再手術を指標としております。

 分子 24時間以内の再手術件数
 分母 手術件数
 評価 より低い値が望ましい


6.入院患者のうちクリニカルパス使用率

 クリニカルパスとは、治療や検査の標準的な経過を説明するため、入院中の予定を時間順にまとめた診療計画表です。
 医療の質を向上させ標準化を進めるため指標としております。

 分子 クリニカルパス使用患者数
 分母 退院患者数
 評価 より高い値が望ましい


7.術後の肺塞栓発生率

 術後の肺塞栓症は重篤な場合は死にいたる合併症です。
 当院ではこれを少しでも予防するため指標としております。

 分子 術後の肺塞栓発生件数
 分母 手術件数
 評価 より低い値が望ましい


8.大腿骨近位部骨折に対する48時間以内の手術割合

 大腿骨近位部骨折に対する早期の手術は静脈血栓予防と医療費削減に有効であり、待機群と比べて入院後合併症(肺炎、褥瘡、呼吸不全、心不全、脳梗塞)が有意することが知られております。英国では指針となっており、当院でも指標としております。
(2013年の日整会の全国調査では術前待機期間は4.42日 )

 分子 48時間以内の大腿骨近位部骨折手術件数
 分母 大腿骨近位部骨折手術件数
 評価 より高い値が望ましい

9.急性期脳梗塞患者に対する早期リハビリテーション開始率

 脳卒中患者では早期にリハビリテーションを開始することで、機能予後をよくし、ADLの退院時到達レベルを犠牲にせずに入院期間が短縮されることが分っています。
 当院でも適応のある患者には十分なリスク管理のもとに早期からリハビリテーションを開始することを目標に指標としております。
 (参考:日本病院会2015年度QIプロジェクト平均値 66.7%)

 分子 分母のうち、入院後早期に脳血管リハビリテーションが行われた患者数
 分母 急性期脳梗塞で入院した患者数
 評価 より高い値が望ましい


10.人工膝関節全置換術患者の早期リハビリテーション開始率

 人工膝関節全置換術後の過度な安静は、廃用症候群を引き起こす原因となることが分っています。
 当院でも適応のある患者には十分なリスク管理のもとに早期からリハビリテーションを開始することを目標に指標としております。

 分子 分母のうち、術後早期にリハビリテーションが行われた患者数
 分母 人工膝関節全置換術を行った患者数
 評価 より高い値が望ましい


11.救急車受け入れ割合

 当院では年間約4000件程度救急車を受け入れております。救急医療に力を注ぐためにもお断り件数0件を目標に指標としております。

 分子 救急受入れ件数
 分母 救急依頼件数
 評価 より高い値が望ましい


12.カルテ開示率

 カルテ開示とは患者及び家族にカルテをお見せする事です。知る権利や自己決定といった原則に照らすと当然のことですが、医療は極めて個人的な情報が多く非常に慎重に取り扱わなければならない事でもあります。
 当院では診療情報を共有し適切なパートナーシップにもとずく良質な医療の提供を目標に指標としております。

 分子 カルテ開示数
 分母 カルテ開示請求数
 評価 より高い値が望ましい